- はじめに
- 新しいTeamsが更新できない?
- 更新できない理由-配信の最適化のダウンロードモード(DODownloadMode)が100となっている
- 配信の最適化(Do)-ダウンロードモードの値を確認する
- 参考にしたページ
- さいごに
はじめに
WindowsPCの新しいTeams デスクトップクライアントでプログラムの更新に失敗する要因に関するシステム管理者向けの覚書です。
※2024年2月現在の確認結果です。
新しいTeamsが更新できない?
新しいTeamsをインストールした後、プログラムの更新に失敗してしまうケースがあります。
「…」→「⚙️設定」→「Teamsについて」を表示すると下記のように赤字で「更新プログラムの確認中に問題が発生しました」表示されでプログラムの更新ができていないことが確認できます。
更新できない理由-配信の最適化のダウンロードモード(DODownloadMode)が100となっている
新しいTeams は従来のTeamsとは前提条件に変わっている部分があり、その一つに「配信の最適化」があります。配信の最適化のダウンロードモード100(バイパス)がサポートされていないと前提条件にも明記されています。
このサポートされていない状態であるダウンロードモードが100の場合には、新しいTeamsの更新に失敗することを確認しました。
ダウンロードモード100の状態でも、クラシックTeamsから新しいTeamsへのアップグレードは可能です。新しいTeamsになったあと更新が一切できない状況に陥ります。
Teams - 新しい Teams の前提条件について | Japan Unified Communications Support Blog (jpucsupport.github.io)
配信の最適化とは
Windows Update などMicrosoft 製品の更新で共通に使われる仕組みです。
従来のクラシックTeamsの更新は他のMicrosoft製品とは独立していましたが、新しいTeamsでは更新プロセスが他の製品と統合されたようです。
ダウンロードモード100という値は新しいTeamsだけでなく、Windows11でも非推奨となっているようです。従来100を選択していた場合は、自社の方針に従い適切な値を検討いただく必要があるかと思われます。
配信の最適化リファレンス - Windows Deployment | Microsoft Learn 右ダウンロードモード
更新できなくてもつかえればいいじゃない?…そうはいきません
Teamsアプリは最新バージョンの利用が前提であり更新せずに使い続けることはできないそのことがサービス契約にも明記されています。Teamsアプリはモダンライフサイクルポリシーが適用され、自動的に更新されることが前提となっています。現在のバージョンが1ヶ月から3ヶ月前のものである場合アプリ内にアラートが表示されます。アラートを無視しさらに経過するとブロックページが表示されプログラムを更新するまで使用することはできなくなるようです。
クラシック Teams ユーザーを新しい Teams に自動的に更新する - Microsoft Teams | Microsoft Learn → サービス契約
クラシック Teams クライアントの更新プログラム - Microsoft Teams | Microsoft Learn → サービス契約
配信の最適化(Do)-ダウンロードモードの値を確認する
ダウンロードモードを確認できる場所
レジストリ
コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\DeliveryOptimization
グループポリシー
Windows 更新プログラム、アプリ、アプリ更新プログラムのダウンロード時に配信の最適化に使用できるダウンロード方法を指定します。
サポートされている値は次のとおりです。
0 = HTTP のみ、ピアリングなし。
1 = HTTP と同じ NAT でのピアリングの組み合わせ。
2 = HTTP とプライベート グループでのピアリングの組み合わせ。既定では、ピアリングは同じ Active Directory サイト (存在する場合) または同じドメインにあるデバイスで発生します。このオプションを選択した場合、ピアリングは複数の NAT にまたがって実行されます。カスタム グループを作成するには、グループ ID とモード 2 を組み合わせて使用します。
3 = HTTP とインターネット ピアリングの組み合わせ。
99 = ピアリングなしの簡易ダウンロード モード。配信の最適化によるダウンロードは HTTP のみを使用して行われ、配信の最適化クラウド サービスへのアクセスは行われません。
100 = バイパス モード。配信の最適化は使用されず、代わりに BITS が使用されます。
参考にしたページ
Teams - 新しい Teams の前提条件について | Japan Unified Communications Support Blog (jpucsupport.github.io)
配信の最適化(DoDownloadMode)
さいごに
Xで「DODownloadMode 100」で検索してもさっぱりヒットしませんので、この問題にぶち当たる人は少ないかもしれませんが、ハマった場合影響範囲が広く解消が限りなく難しい問題になりがちかもしれません。