ささみ学習帳 - sasami's study book

ささみ学習帳

Microsoft365 や Power Platform について学んだこと・アイデアのメモ

VMware Horizon (VDI) でTeams最適化"無効"の環境でもTeamsの会議UIが刷新された (パブリックプレビュー)

VMware VDIで"Teams最適化オフ"の環境でTeamsを使っている、たぶん少数派の方々向けの内容です。

【前振り】VDI環境のTeamsについてちょっと解説

Teams アプリの最新情報ページを見ると、デスクトップとWeb、iOSAndroid、VDI、Teams デバイスとそれぞれの新機能情報が確認できます。

VDI環境はハードウェアリソースの制限が大きいため、通常のデスクトップアプリとは異なる管理をされており新機能の展開も遅れがちです。

例えば、新しいところでは2023年4月にパブリックプレビューでアバター機能が展開されましたが、VDIではアバター作成のみで会議で利用することはできません。

 

VMware Horizon (VDI)環境の Teams 最適化 とは?

ハードウェアリソースに制限があるVDI環境でTeamsを快適に使えるよう搭載されたのが Teams 最適化 (Teams Media Optimization)機能です。Teams会議のAVトラフィックを物理クライアントにオフロードすることで、通常PCに近いリッチな機能を実現する…そんなものだと私は理解しています。

有効な環境ではTeamsのバージョン情報にこのように表示されます。(VMwareの場合)

上記のTeams新機能のページのVDIの箇所は、Teams最適化が有効な環境での新機能が掲載されているようです。(VMwareに関しては)

VMware, Citrix, AVD/Windows365それぞれのVDIで多少事情は異なるかもしれません

docs.vmware.com

 

Teams最適化有効な環境ですべての機能が解放されるわけではない

Teams最適化オプションを有効にすることで、AVトラフィックが分散されVDI側の負荷が大幅に下がるとともに、通常環境のTeamsの多くの機能が利用可能になりますが、すべての機能が利用できるわけではありません。VMwareの場合ですが2023年4月現在では以下の機能は利用できません。

  • × 会議 リアクション
  • × 会議 アプリウィンドウの共有
  • × 会議 コンピューターサウンドの共有
  • × 会議 ブレークアウトルームの作成ができない(管理はできる)
  • × 会議 ミュージックモード
  • × ライブイベントは参加者のみ可能
  • × テスト通話
  • etc...

 

"Teams 最適化"は必須ではなく無効でもTeamsは使える

そんなTeams最適化ですが、必ずしも必須ではありません。最適化無効状態でもTeamsを利用することはできます。Teams導入以前にVDIを導入しネットワーク設計などの制約により有効にできない環境の方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、この利用形態には大きな代償を伴います。

こちらが「VDIでTeams最適化無効」の環境の2023年4月時点のTeams会議画面です。

 

Teamsウィンドウ内に会議が表示される古い会議UIです。普通にTeamsを使われている方にはもはや懐かしさを感じられる状態が2023年現在も続いています。
Webブラウザーで利用するTeamsも2022年12月頃に新しい会議UIに切り替わっており、最後まで取り残された状態でした。

(※追記 匿名で会議参加する場合も旧会議UIのままでした)

 

Teams最適化無効環境では、会議周りの新機能はほぼ搭載されていません。また、Teams新機能ページに情報が開示されませんし、メッセージセンターで触れられる事もなく、新機能が使えるかは実装されるまでわからない状態です。

画面共有の中央に「カスタムセットアップを使用しています」とデカデカと文字が表示され消せないエキセントリックな不具合が発生し2〜3ヶ月修正されないという事もありました。

 

【本題】パブリックプレビューで「VDIでTeams最適化無効」な環境でも会議UIが新UIに

世間のTeamsの進化から取り残されていた「VDIでTeams最適化無効」な環境でしたが、2023年4月 パブリックプレビューでようやく会議UIが刷新されました!

基本的には通常PC環境のTeamsの会議UIと同様です。

  • 会議が別ウィンドウ化
  • 会議リアクション ※残念ながらアニメーションしない!
  • 会議のアプリ
  • ライブキャプションの音声言語設定が可能に
  • Excel Live
  • ブレークアウトルーム対応
  • Togetherモード
  • 話者ビュー
  • etc...

などなど、通常PCのTeamsにかなり近いところまで追いついています。

 

リアクションはちょっと寂しい

VDI環境では待望のリアクションですが、表示されるのは会議参加者のプロファイル画像の上のみです。画面共有の上に重なってアニメーションする通常のTeamsにくらべるとちょっと寂しい感じです。

 

「VDIでTeams最適化有効」環境よりも使える機能が多い!?

確認できた範囲では「VDIでTeams最適化有効」環境では使えない機能も利用可能になっています。

  • 会議 リアクション
  • 会議 アプリウィンドウの共有
  • 会議 コンピューターサウンドの共有
  • 会議 ブレークアウトルームの作成
  • 会議 ミュージックモード
  • テスト通話

この辺りの機能やVDIへの負荷状況については今後深掘りして確認をしてみたいです。

 

さいごに

こういった大規模な変更が Teams 2.0 が控えたこの時期に来るのは全く予想外でした。

今後最適化有効・無効関係なく機能制限が解除されていくのか、はたまた正式リリース時には無効化されるのか、いずれにせよ「VDIでTeams最適化無効」な環境でも未来に希望が持てる変更です。

そしてTeams 2.0 でも「VDIでTeams最適化無効」な環境がサポートされるのか...何より気になります。

 

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