はじめに
私が普段利用しているテナントでOutlook on the Web の新着情報に「送信メッセージの取り消し」機能の案内が表示されたので、動作をチェックしてみました。
※日本語で表示されているユーザーもありました。
送信メッセージの取り消しをするには
送信済みアイテムフォルダに移動し
取り消すメールを選択→右クリック→高度なアクション→メッセージを取り消す
または
メールの「…」→高度なアクション→メッセージの取り消し
から実行可能です。
確認メッセージに応答すれば取り消し完了です。
少し待つと「Message Recall Report for message: "<取り消したメールの件名>"」というメールが届きます。
メッセージ中央の「View Message Recall Report」をクリックします。
メッセージの取り消しの状況レポートが表示され、取り消しの状況が表示されます。
メッセージを受信した側の動作は?
送信者と同じテナント内の受信者の場合
メッセージは問答無用で消えます。以前デスクトップアプリにあった送信取り消し機能とは異なり、未読・既読関係なく削除されます。メッセージに返信していても消えます。返信メッセージ内の引用までは消えませんので痕跡は残ります。
メッセージを転送していた場合は?
受信者が手動で転送したメール、「ファイルとして転送」したメール、受信トレイ ルール (転送またはリダイレクト) を使用して転送されたメールは取り消されませんでした。
受信者がテナント外の場合
【重要】メッセージは取り消されません。
「Recall:<元メッセージ件名>」という数のようなメールが受信者に送信されますので"Recall"で意味がわかる相手であればメッセージを取り消そうとしたというとは伝わります。
送信者側で見られるメッセージの取り消し状況レポートには「失敗」となります。
メールの受信者が自身のテナントの内か外かで挙動が異なる点に注意が必要です。
なお、同じメッセージの宛先にテナント内外の受信者がある場合も同じ動作となります。テナント内の受信者のみ取り消されるという挙動ですので注意が必要です。
そのほかのクライアント環境では
新しいOutlook デスクトップアプリ(Wnidows)でも全く同じように利用可能
Windows版の新しいOutlookデスクトップアプリでは、Outlook on the Web と同じ操作で送信メッセージの取り消しが可能です。
クラシック Outlook デスクトップアプリ(Windows)では2023年前半に実装済み
従来のOutlook デスクトップアプリではメールの情報タブの中にある機能です。
Outlook デスクトップアプリ(Mac)には実装されていない?
Outlookデスクトップアプリは新旧ともに取り消し機能は見つけられませんでした。
管理面
送信メッセージの取り消し機能を無効化する
Powershell で下記コマンドで無効化することが可能です。
Set-OrganizationConfig -MessageRecallEnabled $false
※Exchange Online Powewrshellモジュールが必要になります。
既読メッセージの取り消しを無効化する
Powershellで書きコマンドを実行する事で【既読】メッセージの取り消しのみを無効化することが可能です。
Set-OrganizationConfig -RecallReadMessagesEnabled $false
※Exchange Online Powewrshellモジュールが必要になります。
さいごに
送信メッセージの取り消し機能について気になった点を確認してみました。メールの受信者がテナント内か外かで挙動が異なる点は注意が必要です。
また、受信者視点では見たはずのメールがなくなっている状況を生みますので既読メッセージの取り消しを可能とするかは考え方次第かと思いました。
この取り消し機能は100%機能する事は保証されていないようです。取り消しを実施した際は必ず取り消し状況レポートを確認した方が良さそうです。
参考にしたページ
※こちらは以前の「(クラシック)送信メッセージの取り消し」機能の説明です。現在の動作とは異なります。