- はじめに
- 1.Teams メディア最適化 の前提条件
- 2.設定してみる
- 2-1.VMware Horizon Client のアップグレード(必要な場合)
- 2-2.Horizon Agent を設定する
- VMware Horizon Client のバージョンによって利用可能なTeamsの機能は変わります
- Teams アプリのバージョンアップに追従するためVMware Horizon Clientのバージョンアップが必要になります
- 必ずしもTeamsをmsi版でセットアップする必要はない
- 会議UIの更新が目的の場合はかならずしもTeamsメディア最適化が必須ではなくなる
- (5/22追記)メディア最適化オフでのTeamsの利用はMSの動作保証外
- Teamsメディア最適化を一時的にオフにできる?
- 参考にしたドキュメント
- 最後に
(5/22追記)メディア最適化オフでのTeamsの利用はMSの動作保証外になっていました
はじめに
Teams の(特に会議周りの機能)はCPUやGPUリソースを多く必要とするため、所謂VDI環境は通常のPC環境とは区別され利用できる機能が制限されています。ハードウェアリソースを共有するVDIの仕組み上致し方ないとこではあるのですが、この制限を緩和する為の機能がVDI各社製品で提供されています。
VMware Horizon の場合は、「Teams メディア最適化」と呼ばれます。音声や画像、画面共有などマルチメディア処理はローカルPC側で処理させる(オフロード)ことで、仮想デスクトップ側のCPU使用率を大幅に軽減してくれます。それと同時にTeamsアプリの利用可能な機能にも大きく差異が発生します。
1.Teams メディア最適化 の前提条件
VMware Horizon の対応するバージョンを利用している
- サーバー側バージョン
- クライアントバージョン
- Horizon7 系であれば5.5.3
- Horizon8
Teams のメディア最適化のシステム要件を見たしている
VMware社 WebサイトのMicrosoft Teams のメディア最適化のシステム要件にまとめられていますが、今どきの環境であればほぼOKでしょう。
ネットワーク的に問題ないかは要確認
システム要件では触れられていませんが、ネットワーク設計的に耐えられるかは要確認です。Teamsの映像・音声トラフィックは、Teamsメディア最適化無効時はHorizon Server から発生してますが、Teamsメディア最適化を有効にするとクライアントPCから直接トラフィックが発生するように変わります。複数拠点を閉域網で接続して利用している場合、各拠点の回線を圧迫する可能性があります。LBO(ローカルブレイクアウト)等検討が必要かもしれません。その辺りは専門の詳しい人に相談しましょう。
2.設定してみる
2-1.VMware Horizon Client のアップグレード(必要な場合)
上記のバージョンに満たない場合VMwareのサイトからクライアントをダウンロードしてインストールします。
※2023年4月時点の最新Ver2303
2-2.Horizon Agent を設定する
仮想マシンのHorizon Agentの設定を行います。
正規の手段としては、グループポリシーエディターでオンにします。
[コンピューターの構成] > [管理用テンプレート] > [VMware View Agent の構成] > [VMware HTML5 機能] > [VMware WebRTC リダイレクト機能] > [ Microsoft Teams のメディア最適化を有効にする]
※HorizonAgent 2212以降は自動的にこのGPOが設定されるようです。
※テスト的に実施する場合はレジストリエントリを直接追加してもOKです。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\VMware, Inc.\VMware WebRTCRedir]
"teamsEnabled"=dword:00000001
仮想マシンの再起動をすれば設定完了です。
Teams 「…」→情報→バージョンを確認し「VMware Media は最適化されています」と表示されればOKです。
表示されない場合は、タスクトレイからTeamsを完全に終了した後で
%APPDATA%\Microsoft\Teams フォルダを削除してTeamsを再起動してみてください。
3.注意したいポイント
VMware Horizon Client のバージョンによって利用可能なTeamsの機能は変わります
利用可能となる機能とHorizon Client のバージョンの対応はこちらのURLにまとめられています。Horizon7系のクライアントでは最低限の機能しか利用できません。
Teams アプリのバージョンアップに追従するためVMware Horizon Clientのバージョンアップが必要になります
Teams の新機能への対応のいくつかは VMware Horizon Client のバージョンアップで対応されます。Horizon Client のバージョンを固定して運用されている場合には、そのポリシーの見直しが必要になります。
必ずしもTeamsをmsi版でセットアップする必要はない
MSサイトのドキュメントにはmsi版インストーラでセットアップすることが説明されています。VDIでの仮想デスクトップの展開を想定した案内のようで、Teamsメディア最適化の有効化に必須というものではないようです。通常exe版インストーラでセットアップしてもTeamsメディア最適化は利用可能でした。
会議UIの更新が目的の場合はかならずしもTeamsメディア最適化が必須ではなくなる
こちらの記事にしていますが、Teamsメディア最適化オフの環境でも、新しい会議UIが導入されつつあるようです。Teamsの新しい会議UIが目的の場合は展開されるのを待つのも一つの手段です。
※"Teamsメディア最適化オン"の状態では利用不可能な機能まで利用できるようになっています。
(5/22追記)メディア最適化オフでのTeamsの利用はMSの動作保証外
MSサポートへの別件の問い合わせの中で発覚したのですが、2023年5月時点ではTeamsメディア最適化オンでない場合は動作保証外という扱いなことが判明しました。
根拠としてはこちらのURLを紹介いただきましたが、最適化使えますよという文面でこれが必須と読み取れるかというと...
メディア最適化オフで使っている環境の方はご注意ください
Teamsメディア最適化を一時的にオフにできる?
VMware Horizon Client の「⚙設定」→「通話と共有」→「WebRTCベース アプリケーションのメディア最適化」をオフにすれば一時的にオフにできるように一見見えます。
しかし、実際試したところ挙動に差異がありました。
この設定をオフにした後に、Teamsのバージョン情報を確認すると「VMware Mediaが接続されていません」と表示されます。これにより最適化オフになっていると判断できますが、完全オフの状態とは表示が異なり状態も異なるのではと推測できます。
2023年5月現在、私が気付いたところでは下記の動作の差異が確認できました。
- 「WebRTCベース アプリケーションのメディア最適化」をオフの状態
- → Teams パブリックプレビュー でも会議UIは旧UIのまま
- 「2-2.Horizon Agent を設定する」のレジストリエントリを削除
- → Teams パブリックプレビュー で会議UIは新UIに替わる
その他にも若干異なる動作をする可能性があるかもしれません。
最適化をオフにする場合は、「2-2.Horizon Agent を設定する」のGPOから除外しレジストリ値を削除する対応をした方がよさそうです。
参考にしたドキュメント
最後に
この記事はVMware Horzionの管理者でないTeams管理者目線での検証結果の記録の為、VMware Horizonのサーバー側については触れていません。
逆にいうと物理PCと仮想マシンに管理者アクセスできればVMware Horizon の管理者でなくとも有効化できてしまいます。